業務の流れと滞留
会社の仕事は、情報を受け取り、判断・加工し、次の人や仕組みに渡すことの連続です。 このページは情報が発生してから価値に変わるまでを端から端まで並べて、課題・所要日数・待ちの内訳・継ぎ目・情報の再入力・誰が見えているか・改善案までを同じ形式で示します。
出発点はお持ちの業務フロー図です。上の切り替えで、そこに何を足したのかを比べられます。 このページの数値・課題・改善案は未確認の合成値です。確認済みの例は 量販店からの受注と出荷指示です。
対象業務
同じロットがどこに何ケース出たかを追い切り、回収の要否を判断できるまで。8工程・7か所の受け渡し・年260案件
この画面が見ている記録(本デモでは合成)
① いま何が起きているか
同じロットがどこに何ケース出たかを追い切り、回収の要否を判断できるまでを、比較用の合成値(未確認)の記録から測りました。残りの 10.4日は、待つ・探す・照合する・入れ直すための時間です。 作業を速くしても、この時間は減りません。
リードタイム
合成データ17.1日/ 1サイクル
比較用の合成値(未確認)の平均
工程 11.5日 + 継ぎ目 5.6日(差戻し 1.2回分を含む)
価値を生んでいる時間
合成データ6.7日/ 17.1日
比較用の合成値(未確認)
実作業 107.2人時を担当人数で割った日数
自社の仕組みで縮められる待ち
合成データ10.4日/ 17.1日
比較用の合成値(未確認)
相手の応答を待つ時間は別に数えています。自社の改善見込みには含めません
端から端まで見えている役割
合成データ0役割/ 4役割
2026年7月
課題の発見が、個人の経験に依存している状態
② 業務フロー図に実測を重ねる
お持ちの業務フロー図と同じ形です。足したのは、工程の日数、矢印(受け渡し)の日数、使っている記録、時刻の記録があるかどうかの4つだけです。上の切り替えで元の図に戻せます。図の日数は、差戻しなしで1回通した場合の値です(この後の節は差戻しを含む1サイクルあたりの値です)。
図の工程(または上のID)をクリックすると、その工程に時間がかかっている理由と数字の出どころが開きます。図や表を右クリックすると、その工程に課題を貼り付けられます。
その場で出た課題を図に貼れます。保存先はこの端末のブラウザのみで、他の閲覧者の画面は変わりません。
課題候補
原因の切り分けに作業と待ちが集中。内訳は合成値のため現場確認が必要。
紐づく工程: 5. 原因の切り分け
課題候補
申し出の受付から対象ロットの特定への受け渡しが1.0日。
紐づく工程: 1. 申し出の受付
要確認
判断基準と差戻し件数が未確認。承認記録との突合が必要。
紐づく工程: 5. 原因の切り分け
③ 時間はどこで失われているか
待ち時間をまとめず、承認待ち・受け渡し・照合・重複入力・着手待ち・相手の応答の6つに分けています。相手の時間を自社の改善見込みに混ぜると、効果が実態より大きく見えてしまうためです。
価値を生んでいる時間
6.7日39%
自社の仕組みだけで縮められる待ち
10.4日61%
相手の時間(届け方は変えられる)
0.0日0%
| 時間の種類 | 日数 | どこで発生しているか | 縮められるか |
|---|---|---|---|
| 実作業人が実際に手を動かし、情報を判断・加工している時間 | 6.7日 | 申し出の受付、対象ロットの特定、出荷先の追跡、現品の確認と試験、原因の切り分け、回収要否の判断、在庫の隔離と処分、再発防止の展開 | 縮める対象ではない |
| 受け渡し工程と工程、社外との間で情報が移動している時間。人が運ぶほど長くなる | 5.6日 | 申し出の受付の結果、対象ロットの特定の結果、出荷先の追跡の結果、現品の確認と試験の結果、原因の切り分けの結果、回収要否の判断の結果、在庫の隔離と処分の結果 | 自社で縮む |
| 着手待ち仕事は届いているが、人の手が空くのを待っている時間 | 2.6日 | 申し出の受付、対象ロットの特定、出荷先の追跡、現品の確認と試験、原因の切り分け、回収要否の判断、在庫の隔離と処分、再発防止の展開 | 自社で縮む |
| 確認・照合情報が合わず、突き合わせて確かめている時間 | 2.2日 | 現品の確認と試験、原因の切り分け、再発防止の展開 | 自社で縮む |
④ 止まるのは工程ではなく継ぎ目
どの工程も、担当から見れば正しく処理されています。時間が溜まるのは工程の中ではなく、渡した後から受け取る前までの間です。この区間は、送り手にも受け手にも自分の仕事として見えていません。
円の大きさ = その区分の受け渡しで失われている日数です。右下にあるもの(組織とシステムの両方をまたぐもの)ほど、送り手も受け手も進み具合を見られません。
| 渡しているもの | 渡し方 | 日数 | またぐもの / 記録 |
|---|---|---|---|
| 出荷先の追跡の結果 | 不明 | 1.2日1回 1.0日 × 差戻し 1.2回 | システム / 記録なし |
| 申し出の受付の結果 | 不明 | 1.0日 | 組織・システム / 記録なし |
| 原因の切り分けの結果 | 不明 | 1.0日 | システム / 記録なし |
| 回収要否の判断の結果 | CSV手動 | 1.0日 | 組織・システム / 記録なし |
| 在庫の隔離と処分の結果 | 不明 | 1.0日 | 組織・システム / 記録なし |
| 現品の確認と試験の結果 | 自動 | 0.2日1回 0.2日 × 差戻し 1.2回 | システム / KENSAテーブルの更新日時 |
| 対象ロットの特定の結果 | 自動 | 0.2日 | またがない / HAISHAテーブルの更新日時 |
| 継ぎ目の合計 5.6日(総リードタイムの 33%)。工程を速くしても、この時間は減りません。 | |||
⑤ 同じ情報が何回入力されているか
工程ではなく情報を軸に並べ替えると、同じ情報がシステムを移るたびに人が間に入っていることが分かります。システム同士がつながっていない分を、人が埋めています。
現品の確認と試験の処理情報
現品の確認と試験
人の手 2回 / 器 3個
回収要否の判断からの完了情報
回収要否の判断
人の手 2回 / 器 3個
申し出の受付の起点情報
申し出の受付
人の手 1回 / 器 2個
橙は、人が入力・転記・照合している箇所です。1サイクルで合計 5回あります。同じ情報が別のシステムに移るたびに、人が間に入っています。
⑥ この流れを端から端まで見ている人はいない
それぞれの担当は、自分の受け持ちを正しく見ています。見えていないのは担当と担当の間で、そこには記録も残っていません。そのため問題は起きてから調べることになり、事前に気づけるのは経験のある人だけになります。
お客様相談室
日々の業務画面・担当者の手元資料 ・ 遅れ0日
記録 0/15点(0%) ・ 体感 13点
情報システム部
システムの更新日時・連携ログ ・ 遅れ1日
記録 2/15点(13%)
管理部門
案件次の業務実績 ・ 遅れ3日
記録 2/15点(13%)
経営
案件次の経営報告 ・ 遅れ7日
記録 1/15点(7%)
時刻の記録
いつ始まっていつ終わったかが残っているか
端から端まで見えている役割
0役割
最も広い役割でも 2/15点(情報システム部)
現場の外から確かめられる観測点
2/ 15点
日数にすると 17.1日のうち 0.4日です。残りは担当者に聞かないと分かりません
時刻の記録が残っていない
13/ 15点
16.7日分です。問題が起きてから調べ始めることになります
経営に届くまでの遅れ
7日
経営が数字で見ているのは 0.2日分で、全体の1%です。残りは月次の集計値にまとめられます
この取り組みが変えるのは、ここです
優秀な人を仕組みで作ることはできません。一方で、これまで一部の人にしか見えていなかった詰まりを、記録として全員に見えるようにすることはできます。上の赤い区間に記録が入るだけで、「なぜここで2.5日止まっているのか」という疑問を、経験の有無にかかわらず誰でも持てるようになります。
いま経営に届いているのは0.2日分・7日遅れです。問題を解く速さ以前に、問題を知るまでの時間が改善の速さを決めています。
⑦ では何を変えるか
人を速く働かせる打ち手は入れていません。対象はすべて、待ち時間・同じ作業の繰り返し・人が間に入っている受け渡しです。効果は何の記録で確かめるかまで決めてあり、見込みのままにはしません。
リードタイム
モデル推計17.1日現状 17.1日
打ち手適用後
打ち手を選ぶと試算されます
年間の削減見込み
モデル推計0万円/ 年
打ち手適用時
年260案件で換算します
人手・紙が残る工程
合成データ1工程/ 8工程
打ち手適用後
Excel・紙・郵送・押印のいずれかが挟まる工程
一度きりの改善ではなく、循環にする
1. 見える
工程と継ぎ目に時刻の記録を入れ、どこで止まっているかを常に見られるようにする
2. 直す
止まっている理由の大きい順に、人が間に入っている受け渡しから外す
3. 確かめる
各打ち手に決めた記録で、本当に速くなったかを同じ画面で測る
4. 次を見つける
縮んだ結果、次に長くなった区間が自動的に上に来る
損失の大きい順に、実測から機械的に抽出しています
なぜ「受け渡し」に 5.6日 を使っているのか
工程と工程、社外との間で情報が移動している時間。人が運ぶほど長くなる。申し出の受付の結果、対象ロットの特定の結果、出荷先の追跡の結果で発生している。
全体の 33% ・ 自社の仕組みで縮む時間
なぜ「申し出の受付の結果」の受け渡しに 1.0日 かかるのか
渡し方が不明(未確認)で渡している。組織とシステムの両方をまたぐため、どちらの担当からも進捗が見えない。
記録が残っていない ・ 渡してから着くまでを誰も測っていない
なぜ「現品の確認と試験の処理情報」を 2回 人の手で入れ直しているのか
現品の確認と試験で発生し、3つの器を通って「回収要否の判断の確定情報」に変わる。その途中で人が入力・転記・照合している。
通る器: 品質・検査 → 工程・設備 → ロット・トレーサビリティ
なぜ 13か所は、いつ始まっていつ終わったかの記録が無いのか
16.7日分(全体の97%)は、担当者に聞かなければ実態が分からない。問題が起きてから調べ始めることになる。
現場の外から確かめられるのは 2/15点
花ノ木製菓
システム資産可視化